終戦宣言に目奪われ非核化を忘れるな


韓国紙セゲイルボ

 戦争が勃発するかのように見えた韓半島だが、南北首脳会談が行われて、南側では韓国動乱の終戦宣言で恒久的な平和が来るという麻薬に酔っている。しかし歴史は終戦宣言や平和協定が単なる紙切れにすぎないことを既に証明している。

 第1次世界大戦の惨禍の後、平和という湧き水を渇望したチェンバレン英総理はヒトラーとミュンヘン協定(1938年)を締結した後、自国民に大々的に平和を宣伝した。しかし、1年もしないうちに独はポーランドを侵攻し、第2次世界大戦に突入していった。

 ベトナムはどうだったか。1973年に米国と南ベトナム、北ベトナム、ベトナム臨時革命政府が平和協定を締結した。しかし75年4月、サイゴンが陥落した。協定締結後2年だった。ベトナムの共産化は米軍を背景にした南ベトナムの力の優位も“無用の長物”だという歴史の教訓を残した。

 現在の南北和解ムードに北朝鮮の非核化への期待まで出てくる状況で、南北米の終戦宣言が行われる場合、その象徴性は十分に共感するが、終戦宣言に目を奪われ過ぎて、北朝鮮の非核化を忘却しそうで困る。

 昨今の問題は「韓半島非核化」の意味が「北朝鮮の非核化」なのか不明で、韓国がこうした曖昧なレトリックを繰り返す北朝鮮に対する統制力を備えていないことにある。

 われわれは仰々しい政治ショーよりも、自由に往来するチャンネルをつくろうと北朝鮮に要求しなければならない。バラ色の未来を描く南北経済協力も、南北交流も現在では米国と国連の対北制裁の解除がなければ行ってはならない。そして北朝鮮の非核化が前提だ。

(シン・ドンジュ国際部次長、6月18日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。