中国による「サード報復」文大統領は訪中で糾明を


韓国紙セゲイルボ

 中国によるサード(高高度防衛ミサイル)配備への報復は、今後、韓中関係が正常に戻っても忘れてはならないことだ。内包された意味が通常でない。大量破壊兵器でもない防衛兵器体系の一つが国家間の関係を揺るがした特異な事例だからだ。

 韓国はなぜそのような報復措置に遭ったのかが分からない。中国が打ち出した名分が明確でなく、かといって実利追求の措置でもない。中国はその“憂慮”の実体に対しては明らかにしていない。

 最近会った海軍高位関係者は、「韓国海軍のイージス艦レーダーも中国主要地域を探知できるのに、サードだけを問題にするのは在韓米軍が運用するからだ」といった。サード問題は韓中葛藤でなく米中葛藤の産物なのである。

 しかし、中国は米国には何も言うことができない。G2(主要2カ国)という言葉が意味を成さないのだ。

 文在寅(ムンジェイン)大統領が12月中旬、中国を国賓訪問する。習近平中国国家主席は党大会で2050年まで社会主義現代化強国を建設して“中国ドリーム”を実現するという抱負を明らかにした。だが、中国指導部の国際政治認識は力の政治に基づいた地政学に近い。韓国政府がサード報復を曖昧にやり過ごせば、いつかまた別の報復があるかもしれない。

 対中外交戦略を全面再検討しなければならない。中国のサード報復は韓国を蔑視した処置だ。韓中首脳会談でサード報復問題を厳重に確かめなければならない。

(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、12月5日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。