韓半島危機に対する“ナッシュ均衡”状態
韓国紙セゲイルボ
インドのムンバイ学術会議で、インド人教授が韓半島の危機状況に慰めの言葉を掛けてきた。最初、何の話か分からなかった。数十年間、緊張状況を体験してき、身体に浸み込んだ慣性のせいであろうか。他にもさまざまな場面で声を掛けられ、ぎこちなく過ごした。
海外に行けば韓半島危機に対する韓国の無反応に驚かれる時がある。安保不感症という言葉さえも陳腐なほど、全世界で韓半島の危機を最も感じられないのが韓国人という言葉も聞いた。
問題が生じたものの、当事者がどうすることもできない状況をよく“固着状態”と表現する。先に変化を試みれば無条件で損をするため身動きができない、一種の均衡状態になったことをいう。これを数学では“ナッシュ均衡”という。ゲームの理論の主要概念だ。
ムンバイから帰った後に状況は一気に悪化した。北朝鮮は太平洋へミサイルを発射し、水素爆弾だと主張する6次核実験を敢行すると、また日本上空を越える中距離弾道ミサイルを発射した。核弾頭とミサイルという二頭立て馬車が完成されたのだ。
通常のゲームの理論の観点では先に動いた方が損害を被ることになるが、数千㌔㍍を飛んで行くミサイルと熱核兵器技術のような戦略資産の保有は、既存のナッシュ均衡の条件を超えると見ることができる。
新しい均衡点に至ろうとすれば、何をしなければならないだろうかを考える時だ。
(朴ヒョンジュ亜洲大大学院教授、9月18日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。