正しい英語ではない“コリア・パッシング”
韓国紙セゲイルボ
外国人が韓国に来て驚くことは外国語の多用だ。看板から日常会話に至るまで英語が使われている。近頃、新聞や放送などの大衆媒体で“コリア・パッシング”という用語を聞く。実際にはそのような用語はない。意味は、韓半島の問題なのに、当事国である韓国が国際外交舞台で主導的な役割を果たせず、疎外されている現象を示すようだ。
しかし問題はこの用語が正しい英語ではないというところにある。いくら目を凝らしても外国メディアでこの用語を見ることはない。より一層深刻な問題は他でもない外交問題でこのようにでたらめな英語が広く使われているという点だ。外交用語は少しの間違いが外交問題に飛び火する。
2008年独島(竹島)領有権問題で、読売新聞の報道が問題となった。北海道での韓日首脳会談で、「教科書に独島を(日本領土と)表記せざるをえない」という福田康夫首相(当時)に対し、韓国大統領が「今は困る。待ってくれ」と答えたと報道した。韓国でこの発言が大問題になった。
実際はこの記事を書いた記者が「自制してくれ」を意味する英語“hold back”を「待ってくれ」と誤訳したのだ。大統領府は事実でないと反論声明を出し、日本政府も公式声明で記事が誤訳であることを認めた。
必要以上の外国語や外来語を使うのも問題だが、間違って使うのはもっと大きな問題だ。われわれの周囲には知らずに間違って使っている外国語が非常に多い。今回の機会に間違い外国語を直していく契機にしよう。
(金旭東(キムウクトン)西江大名誉教授・文学評論家、8月21日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。