韓国の国宝文化財第1号の「崇礼門」に交代論議
韓国紙セゲイルボを読む
崇礼門(スレムン)は315件ある国宝文化財の第1号である。1962年に登録されて以後、長期にわたりその地位を保っている。だが、最近になって交代議論が起きている。放火で半分以上焼失した上に、復旧工事まで不良だったことが明らかになり、この際、王座から下野させなければというのだ。
崇礼門にはこれまで何度も交代論議が出ては消えた。五千年歴史と文化に見合う風格を備えていないという理由からだ。だが議論が出るたびに崇礼門はうまく刃を避けてきたのである。その裏には国宝指定権限を持つ文化財委員会の硬直した思考がある。彼らは交代論議が出るたびに、「番号は価値順序ではなく、単純な管理番号」と繰り返す。だとしても国宝1号が持つ代表性と国民の愛着を軽視してはならない。国宝1号を知っている人は多いが、2号、3号を知っている人はほとんどいない。1という数字はそれだけ重要だ。
文化財を指定するのは先祖の遺産を保存しつつ、国民に文化的自負心を植え付けようという意味だろう。ならば、あえて文化財に拘る理由はない。丹青が剥がれて柱にひびが入って、垂木がよじれた国宝1号で国民はどんな自負心を感じられるというのか。
国宝1号の交代はこれ以上遅滞すべきでない。われわれには世界のどこに出しても恥ずかしくない多くの遺産がある。「ハングル」や「八万大蔵経」などは人類的価値を持った文化遺産だ。国宝1号としても遜色がない。文化財委員が考えを変えればいいだけの話だ。
崇礼門は死んだ。火災で、不良復旧工事で、2度死んだ。死亡を確認しても死亡宣告をしないのは明白な文化行政の誤りだ。早く死亡を宣言して、国宝1号の王座を交代させなければならない。
(裵然國〈ペヨングク〉論説委員、12月5日付)