現実的ではない「4月韓半島戦争危機説」


韓国紙セゲイルボ

 「4月韓半島危機説」「戦争危機説」が言われている。この素材を提供する震源地は北朝鮮だ。しかし米国が北朝鮮を先制打撃したり、韓半島に戦争が発生する可能性は一言でいって“非現実的”だ。可能性を完全に排除する訳には行かないが、現実的に不可能に近い。

 北朝鮮先制打撃は韓半島全面戦争につながり、結局、在韓米軍と市民、同盟国韓国が莫大(ばくだい)な人的・物的被害を受け、現実性がない。韓国にいる米国籍者や市民権者は30万人に達する。

 北朝鮮先制打撃は韓国と中国の同意が必要だが、米国が両国の同意を求めることも不可能に近い。1994年第1次北核危機当時でも、ビル・クリントン米政府が寧辺核施設に「外科手術式精密打撃」を計画していたが、敢行することができなかった。全面戦争になりうるだけでなく、北朝鮮の反撃を考慮してのことだ。

 トランプは軍事的手段を総動員した強力な圧迫、習近平は米国の立場を反映した積極的介入と対話突破口用意のために動いている。この動きが今は金正恩を躊躇(ためら)わせていると見られる。

 「4月韓半島危機説」は現実的でない。しかし北が6次核実験を敢行するなら、韓半島は崖っぷちまで危機状況に追い詰められるだろう。核実験の成功は北の核保有を国際社会が認めるほかはない状況になるからだ。

 核実験を防ぐために韓国外交は積極的に加わるべきだ。その中で隙間ない韓国安保はいくらでも強調できる。

(金榕炫(キムヨンヒョン)東国大教授・北朝鮮学、4月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。