弾劾の教訓得て政治の先進化を成し遂げよ
韓国紙セゲイルボ
憲政史上初めて大統領が罷免された。この間、政界、メディア、国民を覆ったブラックホールのような事態で、大韓民国の内政は「ミニマリズム」(最小主義)に立たされ、外国からは「韓国排除」の侮辱を受けなければならなかった。
高い代価を払ったこの事態でわれわれはどんな課題を得たのか。まず大統領と大統領府の改革だ。大統領職の責務性を強化するために、大統領と大統領府に集中した権限を各部署へ大幅に分散させる。でなければ、内閣や監査機関が独立的に仕事はできない。
政界の先進化が切実だ。政界は党派的利益だけを追い、妥協よりは闘争を前面に出した結果、憲法裁判所に決定を押し付ける“政治の司法化”現象を招いた。政党が妥協できず、国会議員がともすると場外闘争で路上に出れば、社会葛藤と国論分裂を唆す。
市民社会も共同体を再建しなければならない。ろうそく集会と太極旗集会が衝突するかと心配されたが大きな不祥事はなかった。しかし昼は太極旗、夜はろうそくデモという広場の姿は分裂した韓国社会の現状を見せた。韓国社会はいつからか、理念、階層、世代で分裂し、激しい葛藤を見せるようになった。
一部報道機関は事実が確認されない違法な報道も行っていた。権力不正と不正腐敗を告発するメディアの役割は尊いが、本物とにせ物が混じった情報の洪水は国民の理性をマヒさせた。
今回の国政壟断(ろうだん)と弾劾事態の当事者と国民は必ず教訓を得て、政治先進化を成し遂げるべきだ。
(李淑鍾(イジュンジョン)成均館大教授・行政学、3月12日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。