「4党体制」は政党政治の新たな道
連合政府の制度化は不可避?
国会の大統領弾劾訴追以後、韓国の政党政治には大きな変化があった。政府与党所属議員が大挙離党し「正しい政党」を立ち上げた。1年前、安哲秀(アンチョルス)議員を中心に「国民の党」を創った「第3党政治実験」に続く「第4党政治実験」だ。
国会の政党別議員数は「共に民主党」121議席、自由韓国党94議席、国民の党39議席、正しい政党32議席、正義党6議席だ。院内交渉団体構成要件である20議席を超える政党が4で「4党体制」と呼ぶ。民意をさらによく反映できるとの期待を持たせる。
政治学者崔章集(チェジャンジッブ)は最近出版した『両手を縛られた民主主義』で、「社会的弱者の声が自由に取り上げられるように、いまつくられ始めた多党制を定着させることが重要だ」と述べている。
しかし、政界では意外にも否定的反応が出ている。4党体制スタート以後、争点をめぐる対立はより大きくなり、妥協を導き出すことはそれだけ難しくなったという。禹相虎(ウサンホ)共に民主党院内代表は先週あるラジオで、「国会が完全に麻痺している。4党体制になって以後1月と2月に争点法案で解決されたものは一つもない」と述べた。
しかし、4党体制は表面では政党分裂の結果だとしても、中を見れば民心の要求に従ったものだ。韓国の政党政治の根幹をなしてきた二党制は効率的かは知らないが、多様な民意を代弁するのには限界がある。そのような面で多党制は政治発展の機会を広げることができ、望ましい現象だ。
多党制を正しく活用するのは政党自身である。政党は妥協が難しくなった状況を自ら克服していかなければならない。連合政府の話が出るのもそのためだ。ある政党が政権をとっても与党少数、野党多数の現実に直面する。政局漂流を防ごうとするなら「連合政府」が避けられない。これを制度化するための改憲と選挙制改編は大統領弾劾審判以後、政界がぶつかる最大懸案となるだろう。
問題は4党指導部の現実認識だ。政治の新しい道が開かれたが、政党が道を捜し出せなければ遠からずその道は閉じられる。新しい道を開いていこうとするなら、道が何なのかを知って、対話と妥協で道を広げていかなければならない。まずは政党自身から変わることだ。
(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、2月27日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。