北東アジア多者間安保協力が失敗した理由


韓国紙セゲイルボ

 北東アジアで多者間信頼構築の機会の入り口が閉じられ、激烈な軍備拡張競争時代に突入して10年余りになる。こうなった理由は北東アジア各国の指導者が安保問題を定期的に討議できる対話の場を制度化できなかったためだ。

 現在、韓国を除いたすべての国が軍拡競争に突入している。韓国は対話を通した多者間平和協力を推進しているが、この地域の激烈な軍備競争と北朝鮮の核武装脅威を直視する時だ。

 北朝鮮、中国、ロシアは米国主導のアジア太平洋秩序が彼らの安保利益に背くと考える限り、北東アジアで対話を通した多者間の信頼構築と真の安保協力の機会を持つことはないだろう。

 従って、韓国は自身の死活的安保利益がかかった問題に対して、冷静な計算を土台に長期的な安保軍事戦略を推進すべきだ。北東アジアで多者間対話を盲目的に信頼してはならないのである。

 対話自体が安保協力をつくり出すという希望的思考が外交安保政策を支配してはならない。

 欧州の脱冷戦を引き出したのは政治と軍事、経済と人権などを包括的に改善しようとする努力と、軍事的側面から徹底した検証を通した信頼構築努力が並行して行われた結果だ。韓国の安保に有益な成果はないのに多者対話に重点を置けば、国民と政界が虚偽の安保意識を持つことになる。言葉だけで信頼が構築されると思って失敗した過去を繰り返してはならない。

(韓庸燮(ハンヨンソプ)国防大安保大学院教授・国際政治学、11月3日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。