情報の伝達遅い地震災害対策を組み直せ


韓国紙セゲイルボ

 7月、蔚山近海でマグニチュード5・0の地震が発生し、その余波がまだ収まる前に、今月12日、慶州で5・1と5・8の地震が相次いで発生。さらに19日には4・5の余震が発生、全国が地震の恐怖に包まれている。

 これらの地震が発生した直後の対応を見ると、これまでの地震災害対策に多くの弱点があり、はなはだしきは誤まった処理方式をとっていたことが簡単に分かる。

 韓国は地震観測後、50秒以内に地震情報を発表できる警報体制を運営している。だが、問題は情報の伝達自体が遅いという点だ。原因は地震の属性を理解し、その情報を処理できる専門担当者の不在である。

 このような側面から、蔚山地震と慶州地震での迅速な情報伝達失敗が、地震情報の属性に対する無知から始まったものではないかという疑問も生じる。であれば、次の地震に対しても今回と同じ状況は避けられない。現在のような中央集中式地震情報収集と伝達体系では被災地の当面する情報要求に応えられない。

 現地での差し迫った状況を直接把握しつつ、関連機関と住民に必要な地震情報を提供して説明できる人材と必要な資源の配置が唯一の解決策となる。

 政府は今後20~30年の間に行う韓半島活断層調査計画を明らかにした。同計画が既に化石化した断層の年齢調査に終わらせないためには、活性断層を調査する究極的な目的を先に考慮しなければならない。

 地震を防いだり避けることはできない。だが被害を計ることはいくらでも可能で、その影響を最小化する努力は私たちが十分にできることだ。

(姜泰燮(カンテソプ)釜山経済大教授・地球環境科学、9月21日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。