北朝鮮SLBM、中国が提供の可能性
米専門家がラジオで発言
北朝鮮が先月24日に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は、中国が提供したものだとする見方が浮上している。北朝鮮専門家で米アンジェロ州立大学のブルース・ベクトル教授は1日、ラジオ番組に出演し、「北朝鮮が発射したSLBMは(中国のSLBMである)JL-1(巨浪1号)ミサイルとそっくりだ」と指摘し、中国産である可能性が高いとの見方を示した。
ベクトル氏は、北朝鮮のSLBMとJL-1が共に2段階ミサイルであることや固体燃料を使用している点などが同じだとし、「北朝鮮には、これと似たミサイルはない」と強調。「(北朝鮮が発射したミサイルは)JL-1か、あるいは非常に近い改良型と考えられる」と述べた。
他の専門家も中国がSLBMを提供した可能性が高いとの見方を示しているとも語った。
また、「ここ数年、北朝鮮は中国からミサイル発射台付き車両(TEL)の提供を受けている」とし、中国が北朝鮮に兵器を提供することは多く行われていると指摘した。
これに対し、国務省のジョン・カービー報道官は1日、中国が北朝鮮にSLBMを提供した可能性はあるかと問われ、「この場で情報事項について話すことはできない」と答えるにとどめた。
北朝鮮のSLBM発射に対し、国連安全保障理事会が安保理決議に対する重大な違反だとする報道機関向け声明を先月26日に発表した際には、中国も同意している。
(ワシントン岩城喜之)