サード配備めぐり国論分裂はやめよ


韓国紙セゲイルボ

 サード(高高度防衛ミサイル)配備をめぐり中国と激しいせめぎ合いを繰り広げている最中だと言うのに、政治的見解の違いから国益を忘れた一部政治家の言動は実に遺憾だ。

 いま北朝鮮は韓国社会の世論を分裂させようと工作に熱を上げている。すでに米中衝突と韓中葛藤を極大化するために「宣伝戦指針」を海外公館に送ったという。

 韓国政府が先月8日、サードを慶北星州に配備すると発表してから1カ月が過ぎたが、住民説得の先頭に立たなければならないTK(大邱慶北)地域の与党セヌリ党国会議員約20人はサード配備反対の意見を出して、政局混迷に拍車を掛けている。

 野党では国民の党の安哲秀(アンチョルス)元代表がサード問題の国民投票を提案し、共に民主は6人の議員が訪中までして、中国官営メディアの言論プレイに弄(もてあそ)ばれ、国の恥を晒(さら)して嘲弄(ちょうろう)の的となった。

 いまは政争を中断し、与野を越えて一つになって、国論をまとめる時だ。安保問題にあっては、国の外では国益のための超党派的外交を行わなければ、国益損傷を最小化することはできない。それこそが国民の負託を受けた政治家の基本的な責務である。

 中国が北核解決を放り出せば、日本の核武装論が力を得て、北東アジアの“核ドミノ”が憂慮される。こうした情勢を考え、韓国の国会議員には国会次元でサード配備に合意して、四分五裂した国論収拾の先頭に立つよう求めたい。

(柳永玉(ユヨンオク)国家報勲安保研究院長・国際政治学、8月15日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。