「北」難民に中国危機感、安保不感症に陥る韓国


韓国紙セゲイルボ

 香港の時事誌「争鳴」は4月号で、「中国政府は北朝鮮政権が崩壊したり韓半島での戦争勃発にともなう北朝鮮難民流入という最悪の状況に対応し、80㌔㍍の吉林省の中朝境界地域に収容施設800~1000件、医療施設20件を設立する計画をたてた」と報じた。

 北京で開かれた第1回韓中日協力国際フォーラムでは、趙啓正元中国国務院新聞弁公室主任が、「北朝鮮政権が崩壊する場合、難民数万人が国境を越えて中国に入ってくるだろう」としながら、「韓国は難民対策をしているか」と質問したこともまた意味深長だ。

 北朝鮮が各種核兵器と潜水発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に成功するなら、韓米がサード(高高度ミサイル防御体系)を導入しても対応するのが難しい。なので、いま韓国社会の一部では米国の「核の傘」だけに頼らず、米国の戦術核を持ってこようという意見から、核兵器の自主開発という主張まで、多様な核武装論が広がっている。北朝鮮がSLBM発射の兆候を見せれば、先制打撃できる力量で対抗しないわけにはいかない状況になっているのだ。

 対北制裁の核心的カギは中国が握っているが、北朝鮮はもう中国さえもブレーキをかけられない集団になった。金正恩(キムジョンウン)政権は南北全民族の生命と財産を核の人質に取って体制延命し、韓半島に安保危機をもたらしている。

 ところが、韓国民と政界は安保不感症に陥っている。北朝鮮の核兵器よりもっと恐ろしいのは安保に対する無関心だ。政界・政府・国民が一つの心で安保危機克服に邁進(まいしん)しなければならない時だ。

(柳永玉(ユヨンオク)国家報勲安保研究院長、5月2日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。