南シナ海の荒波を避ける道 二者択一の状況をつくるな


韓国紙セゲイルボ

 中国が南シナ海で最も威勢をふるったのは15世紀初め、明の鄭和の艦隊が7回も大洋遠征に出た時だろう。南シナ海からインドを経て東アフリカまで、多い時は240隻、乗組員が3万人に達し、東西古今最大規模の船団と呼ばれた。

 だが、この海には中国の光栄だけがあったのではない。中国史で最も屈辱の瞬間もここで繰り広げられた。1940年アヘン戦争で英国は約20隻の軍艦、約4000人の遠征軍を率いて南シナ海を上り、広東近海に来て大砲を撃ちまくった。結局、膝を屈した清は香港を割譲する不平等条約を締結しなければならなかった。

 韓国にとっては石油・物資輸送路という経済的重要性が強調されるが、南シナ海の政治的荒波はたびたび韓半島まで及んだ。1964年のトンキン湾事件は韓国がベトナム戦に参加する決定的契機になった。

 再び、南シナ海で発生した暗雲が韓国に迫ってきている。アヘン戦争で屈辱的な条約を結び、日清戦争で北洋艦隊が壊滅してから、中国は長い間、臥薪嘗胆し「海洋崛起」を企てた。彼らの潜在意識にはアフリカまで自由に大洋を縫って通った鄭和艦隊の光栄再現という雄大な夢があるのだろう。

 そのためにはこの海を中庭にしておかなければならない。本土から1500㌔㍍も離れている南沙群島の暗礁に人工島建設を強行したのもそのためだ。

 現在の海洋覇権国・米国はこれを牽制(けんせい)するために中国人工島の12カイリ(約22㌔㍍)以内にイージズ駆逐艦を押し込み、米中間の葛藤は沸騰点に迫っている。このような力比べは終局的に韓国が二者択一を迫られる状況につながる。米国と軍事同盟を結び、中国と最高水準の経済交流をしている韓国には大変堪え難い問題だ。

 最近、大統領府や外交部が出した曖昧な論評にはこのような悩みの跡が歴然だ。すでに今年だけでもサード(終末高高度ミサイル防御体系)韓半島配置議論、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入問題をめぐって同じような産みの苦しみを味わっている。

 南シナ海で広がる葛藤は極めて微妙な問題の上に、米中間の直接的な利害と直結している。韓国外交がきわどい試験台に上がったと言われる所以(ゆえん)だ。

 われわれは二者択一を強要される境遇に追い込まれないように外交力を発揮することが優先で、時を逃さないように南シナ海の動向を鋭意注視しなければならない。

 そして何よりもわれわれの内部で「米国側に立たなければならない、中国方に立つのがいい」といった国論分裂があってはならない。

(パク・チャンオク外交安保部長、11月4日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。