ドイツ統一25周年の教訓をどう生かすか


韓国紙セゲイルボ

 先週、駐韓ドイツ大使はある国策研究機関で行った演説で、25年前ドイツ統一が可能だった3要因として、周辺国が独統一を支持、第2に東独住民が喜んで統一を選択、第3は西独政府が一貫した交流協力政策を推進した―ことだと述べた。

 これまで統一費用と便益、税金負担、北急変事態、統一大当たりなどについて多くの議論があったが、真に統一のためにどんな準備をしたのか疑問だ。正確な統一費用計算、精巧な統一方案、洗練された統一憲章だけで統一を実現することはできない。最も重要なのは統一に対する国民的共感の形成だ。

 しかし、韓国社会の葛藤水準は経済協力開発機構(OECD)27カ国中2位。理念葛藤、地域対立、世代対立を克服できないならば、統一は空念仏にすぎない。

 分断70年間に変わった南北間の異質文化の克服も重要で、北住民の心をつかめる政策推進が必要だ。脱北者が韓国社会に定着できず北へ戻るようでは心をつかめるわけがない。

 強大国に囲まれた韓半島の地政学的特性により、周辺国の支持は統一に決定的影響を及ぼす。支持を得る統一外交により大きな関心を傾けなければならない。

 そして南北対話は持続しなければならない。対話は互いの立場を確認し意見を伝える窓口だ。われわれが願うことが何であり、北朝鮮が願うことが何なのかを確認して、利害関係を調整していかなければならない。いくら立派な統一案があっても、対話しなければ無用のものだ。

 党利党略の利害関係を超越して、民族の将来を見通しながら、持続的で一貫性ある対北朝鮮政策推進が必要なのである。

(具本学〈クボナク〉翰林国際大学院大副総長・国際政治学、7月31日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。