ネット番組で「反日」を痛烈批判 朴韓国大統領の実妹、朴槿令氏


 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の実妹、朴槿令(パククンリョン)氏(61)が4日夜に公開された日本のインターネット動画サイト「ニコニコ動画」の日韓問題特集のインタビューで、「日本の首相が替わるたびに謝罪を求め、隣人を責めるのは第三国から見て恥ずかしいことだ」などと述べ、歴史問題を蒸し返して繰り返し日本に謝罪を求める韓国政府の反日姿勢を痛烈に批判した。

 また槿令氏は50年前に父親の朴正煕(パクチョンヒ)元大統領が世論の反対を押し切り果たした日韓国交正常化について「国交正常化こそ生きる道と思って推進した父を誇らしく思う」とした上で、日本からの無償・有償援助が製鉄所や高速道路建設など、韓国経済発展の「原動力になった」と評価した。その上で慰安婦問題では「隣人を責め続けるのではなく、自らの手で(元慰安婦の)祖母や母を慰めて暮らしていくことが重要だ」と述べ、元慰安婦らへの補償や支援を韓国自らがしていく必要を強調した。

 槿令氏はインタビューの冒頭、日本の印象について「日常生活のマナーやあいさつを欠かさない礼儀正しさ、相手を配慮する気持ちなどが生活の中に溶け込んでいる。日本には、韓国にない長所がある」と語り、続けて「韓国も礼儀の国と言われていたが、今はそういう言葉は当てはまらない。韓国人はそういうことを日本から学んでほしい」と韓国社会に苦言も。日本の過去の歴史を問い続けることは「浮気した夫とヨリを戻した妻が、その後も夫の悪い噂を流すのと同じ。歴史を後退させることで、(韓国の)国益にもよいことではない」と諌めた。

 話題は安倍首相ら日本の政治家の靖国神社参拝にも及び「韓国がそれをたびたび批判するのは内政干渉」と批判。「子孫として祖先を参ることを拒むことはできない。靖国参拝をして戦争を起こそうとは誰も思っていない。そう思う方がおかしい」と説いた。

 日本については「他の国を侵略する憲法でもなく、軍国主義の時代でもない」とした上で「(戦前)当時の『親日』と国交正常化後の『親日』は全く変わっている」との認識を示した。今後の日韓関係では、国交正常化50年の式典に見られる関係深化の兆しや駐日大使を経験した李丙琪氏が秘書室長となったことなどを「いいシグナルだ」とし、「私たちは、新しいスタートを切らなければならない」と日韓関係改善への期待を込めた。また番組視聴者に対し「韓国では、日本を非難するニュースばかりが流れるが、大半の国民は私と同じ考え。もっと韓国を好きになってほしい」と訴えた。

 インタビューは事前収録の録画で、槿令氏は韓国に帰国した先月30日に現地メディアに主な内容を語って物議を醸した。