韓国外交に教訓与えた安倍首相の米議会演説


韓国紙セゲイルボ

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米議会上下両院合同会議で演説に臨む安倍晋三首相(下)=4月29日、ワシントン(AFP=時事)

 安倍晋三首相は今回の訪米成果で“マイウェイ”を行く速度を上げている。8月の終戦70周年談話でも、過去の歴史謝罪要求を無視する態度で一貫すれば、韓国・日本関係改善の契機は得にくくなる。

 これは韓国にとって新しい外交的現実だ。安倍首相の口だけ眺めて手元を疎(おろそ)かにしていて、やられた格好だ。2月に「政治指導者が過去の敵を非難して安っぽい拍手を得るのは難しくない」というシャーマン米国務次官の発言が波紋を起こした時、その意味を看破して急いで対応していれば、こうまで状況は悪化しなかったかもしれない。

 韓国政府が過去の問題には原則を守りつつ、安保・経済では日本と協力する「ツートラック」の基調を維持してはいるが、これからはより積極的な対処が不可避だ。身動きの幅が狭くなった韓国外交が行く道は遠くて険しい。間違えれば、外交的孤立を招くこともあり得る。

 政府と与党セヌリ党は外交安保対策会議を開いて、日米同盟主導の北東アジア秩序再編の動きにどのように対処するのかを議論した。ユ・スンミン・セヌリ党院内代表は、「新しく強化された日米同盟と中国の間で大韓民国の生存戦略は何かを考えさせる演説」といった。適切な問題意識だ。

 韓国政府は日本に傾いた米国をわが方へ変えさせ、中国との関係をより緊密にする戦略を立てなければならない。そこにこそ、韓国外交の突破口を探すことができ、安倍首相の態度変化も引き出すことができる。

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

(5月1日付)