国民の視線も冷たくなるセウォル号デモ


韓国紙セゲイルボ

 16日のセウォル号惨事一周忌の追悼集会で、デモ隊と警察が正面衝突した。警察は「デモ主導者と過激行為者らを最後まで追跡し、全員司法処理する」方針を明らかにした。

 セウォル号惨事の悲劇性を考えれば、その収拾方向に対する社会的異見・葛藤と無関係ではない今回の都心デモに対して、強硬一辺倒の対応に賛成するには無理があるものの、前後の関連を見れば警察を非難することも難しい。

 多くの国民にとって、最も疑わしいのはデモの名分だ。少なくとも一部参加者は「セウォル号特別法施行令廃止」等の主張を押し通そうとした可能性がある。だが、意見の相違は成熟した対話で解決すべきだ。なぜ暴力で解決しようとするのか分からない。デモ隊がなぜか大統領府方向への進出を試み、「警察の壁を押し倒して大統領府へ向かえ」というビラも出回った。

 朴槿恵大統領が彭木港を訪問した時、遺族は焼香所を閉鎖し、彭木港を離れてしまった。大統領を侮辱して、対話の機会も蹴ったのだ。こうした態度が、セウォル号を政略的に利用しようとする勢力を引き寄せる。専門のデモ屋が出没するのだ。

 警察によれば、機動警察3人が耳、頭などに裂傷を負い、意識を失って近隣の病院に運ばれるなど74人が負傷した。警察車両71台も破損し、無線機など368個の装備も奪われたり壊されたりした。遺族を含む市民の負傷者も多数出た。忍耐の水準をかなり超えた混乱状況だった。

 いくら妥当なデモでも、限度を超えれば、国民の視線は冷たくなるという点を肝に銘じなければならない。

(4月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。