韓水原ハッキング事故 国家次元の保安強化を


韓国紙セゲイルボ

 昨年末の韓国水力原子力(韓水原)ハッキング事故で、国民は不安の中で1年を終えた。福島原発事故以降、原発に対する不安感があるが、これを運営する機関でハッキング事故があったことは不安を倍加させた。

 韓国政府の調査などによれば、「原発図面流出」は職員と協力業者、関係者などへのフィッシングメールで行われたことが分かった。ハッカーの目的が国民の不安と対政府不信を煽(あお)ることだったら、これは成功したと言える。国家的なサイバー安保を確立して対処すべき事例であることを痛感させた。

 もう一つの問題は情報保安水準が「良好」な機関はサイバー攻撃に絶対的に安全なのか、ということだ。最近のハッキング攻撃は知能型持続脅威(APT)攻撃形態に進化している。故に防御するのが難しい。事故発生の可能性は常に潜在しているのだ。

 サイバー保安をめぐる国家間紛争が拡大し、国民生活に莫大な影響を与えている。その現実の中で、事故を韓水原という1機関の問題とだけ扱うのではなく、サイバー分野を全国家次元の安保問題として捉えなければならないわけだ。

 手遅れになる前に、企業や国家がサイバー保安を安保の最優先順位に上げなけれならない理由である。

 韓水原ハッキング事故を契機に、政府は国家次元で情報保安強化のための組織・予算拡充に配慮し、情報保安水準を強化する契機にしなければならない。

(任乙奎〈イムウルギュ〉漢陽大教授・コンピューター工学、1月26日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。