ノーベル科学賞有力候補の誕生 今年、韓国人初の受賞に期待


韓国紙セゲイルボ

 「正しい科学技術社会実現のための国民連合」は、2015年の韓国科学シーンを予見した「10大ニュース」として、ノーベル科学賞有力候補の誕生を発表した。韓国がどれほど切実にノーベル科学賞受賞者を待ち焦がれているかをよく物語るものだ。

 1901年から始まったノーベル科学賞(物理学、化学、生医学)受賞者輩出国中、13年現在で、1位は米国の261人、ドイツが2位で86人、英国が3位85人、4位フランス37人となっている。5位はスイス20人、日本は17人で、ロシア、オーストリアとともに6位。中国は18位で5人を輩出している。

 そして科学賞1人の国は14カ国でエジプト、メキシコ、台湾、香港など。しかし大韓民国はまだ一人も受賞者を出していない。

 韓国は1人当たり国内総生産(GDP)は2万4329㌦で、世界15位。研究開発投資額(13年)は50兆ウォン規模で世界6位、GDP比世界2位の環境だ。加えて国民の優秀性と誠実さから、韓国がノーベル科学賞受賞者をまだ一人も輩出できていないということは本当にいぶかしいことだ。

 伝統的に科学賞受賞者は主に大学と国策研究所で純粋科学的発見の結果が人類社会にどの程度寄与したかを見て決めてきた。言い換えれば、韓国がまだ一人の受賞者も輩出できない理由は、純粋研究を継続してできる大学と国策研究所の研究者の科学的発見と業績が、他の国に比べて足りないということでもある。

 幸い、最近、科学賞候補に韓国人科学者の名前が上がってきており、大田のエキスポ科学公園内に設立される韓国基礎科学研究院(IBS)に世界的な韓国人科学者が集まってきている。

 さらに、科学賞では純正科学と応用科学の研究結果を含む傾向が明確になっていることも、韓国人初の受賞の可能性を明るくしている。実際に14年の物理学賞は産業と直接連結した応用科学分野の「青色発光ダイオード」を発見した日本人科学者3人に与えられた。

 ノーベル科学賞受賞者審査で、純正科学と応用科学研究の壁を崩したことは大変重要な意味がある。日ごとに学問間の領域が崩れて発展する融合社会で、科学賞受賞基準の変化は時代的流れから望ましい方向だ。

 一部産業で世界最高の応用科学技術を保有している韓国科学者にも機会がきている。今年、韓国人初のノーベル科学賞受賞を期待してみる。

(金光宣〈キムグァンソン〉韓国技術教育大教授・韓国工学教育学会会長、1月8日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。