米中間で韓国が生きる道


韓国紙セゲイルボ

中国傾斜の印象を与えるな

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11日、韓国の釜山に入港した米空母「ジョージ・ワシントン」(AFP=時事)

 韓中首脳会談について、米主要メディアと官民の間に韓国に対する誤解がある。停滞状態にある北核問題と悪化した韓日関係で、先手を取ろうとする韓国の狙いから、今の韓中関係に進んでいったという解釈だ。

 韓国の立場で見れば悔しい側面がある。中国の策略は韓国には生存と直結する問題だ。中国は米国を牽制(けんせい)し、日本を圧迫するためのテコとして韓国を選んだ。中国が習近平国家主席の訪韓以後、「日本たたき」を行っている背景には韓日の隙間をより大きく広げておくという意図がある。さらには「韓中」対「米日」構図を作るという計算も敷かれている。

 「アジア交流および信頼構築会議(CICA)」提案(5月、上海)や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」創設、新しいシルクロード建設構想は同じ脈絡だ。

 しかし、韓国の関心事は北核問題解決と軍国主義復活を狙う日本の孤立である。中国がこれを知らない訳がない。「韓半島非核化」を言って北核に対する憂慮を表し、日本の集団自衛権など右傾化に声を高めるだけで韓国の機嫌を取った。「老朋友(古い友人)」という美辞麗句で韓国民の歓心も買った。

 北核問題は中国の役割なしには解決されにくい。金正恩(キムジョンウン)政権が核・経済並進路線を諦めない限り、北核問題は解決されない。6カ国協議再開条件のハードルを韓米日が下げるとしても、金正恩政権の真正性を担保するのは難しい。6カ国協議は北朝鮮にとって、時間稼ぎにすぎない。

 日本は平行線を走る南北関係の隙間を利用して、韓半島での主導権を握ろうとしている。北朝鮮人の日本入国制限措置緩和だけでなく、独自の対北制裁の解除がそれだ。全体の中で日本の動向をみれば、最小限、北核開発を停止線に置いておくことができる。

 このような状況の中で韓国が生きる道は何か。答えは明快だ。米中の間で韓国は「均衡者の役割」ができるか、「サンドイッチの境遇」になってしまうかだ。

 韓国は米中の構造的対立の真ん中にいる。米国とは同盟であり、中国とは戦略的パートナー関係だ。米国とは60年になる同盟関係で、中国とは信頼を積み上げて行かなければならない途上の友人関係だ。

 外交は銃声なき戦争だという。韓中関係に対する韓国内部の楽観論は危険千万だ。「中国傾斜」と見られたそれ自体が失敗だ。「韓中」対「米日」構図はわれわれが望むところでもない。外交的空間をわれわれ自らが狭める理由はない。

 韓米同盟の根幹を傷つけない範囲内で「中国の求愛」を適切に活用することが大韓民国が生きる道だ。

(オク・ヨンデ論説委員、7月10日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。