韓国に「軍事外交ドクトリン」の用意を


韓国紙セゲイルボ

 中国に頼って北朝鮮の核問題を解決するという朴槿恵(パククネ)政府の発想には明確な限界がある。

 崔天凱駐米中国大使は、北朝鮮に非核化を迫れとの米国の要求に対して「不可能な任務だ」と答えた。中国高官のこうした発言から分かるように、中国は北核問題解決に積極的意思がないように見える。

 韓国は中国依存政策が抱える一種の「戦略的錯覚現象」を警戒しなくてはならない。そして朴政府は独自の「韓国型軍事外交ドクトリン」を作り、より一層積極的努力を傾注しなければならない。

 先軍政治と核・経済並進路線を標榜(ひょうぼう)する北朝鮮による核戦争の可能性は非常に高い。そのため、北核脅威が「足下の火」だということを認識し、徹底した対策が必要だ。

 ところが、問題は国防部と軍が北核脅威に対して、正しい軍事戦略と武器体系を備えているのか不明だという点である。韓国の核開発と米国の戦術核再配置が現在としては難しいというのなら、北核脅威に対処するための「先制攻撃戦略」ドクトリンだけでなく、先端在来式戦力も一日も早く備えていかなければならないだろう。

 韓米連合防衛体制を維持しながらも、韓国軍は北核脅威に対応できる独自軍事力量を着実に育てなければならない。

 北朝鮮が自ら核を放棄しないことがますます明らかで、6カ国協議など外交的解決策には明確な限界がある。北核を解決するための国家指導者のビジョンと勇気、決断力がかつてなく切実に求められている。

(金暎浩〈キムヨンホ〉誠信女子大教授・国際政治学、5月9日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。