現場中心の災難対応システムの構築を
韓国紙セゲイルボ
聖水大橋崩壊、三豊デパート崩落惨事のような前代未聞の災難が韓国を襲った時、国民の間では「(事故死でなく)老いて死ぬことが夢だ」という自嘲気味の嘆きが流行した。
「セウォル号」事故のような途上国型惨事が絶えず繰り返されるのは、韓国社会と政府運営システムに学習課程がないことが原因の一つである。
過去の事例から蓄積してきた政府部署間協力や情報共有システムを修正・補完することが必要だが、政権交代によって、優秀なシステムとマニュアルが埋没してはいないか、もう一度振り返ってみなければならない。
災難対応システムの具体的な代案中、第一に、現場指揮体系への大幅な権限委任が必要だ。各現場指揮者に全権を付与し、措置後報告の原則で、差し迫った状況に対応することで、いわゆるゴールデンタイムを逃さないようにしなければならない。
二番目に、現場で行われた迅速な対応措置と、これに伴う結果への処罰の負担を最小化する。責任負担に対する心理的圧力が大きければ、現場責任者は積極的で果敢な対応をできなくなるためだ。
三つ目、民間資源も総合的に活用する。最後に、危機管理対応部門予算は長期的な計画下で持続的で安定的に投入されるようにする。
今回だけは絶対に人が死んだ後に薬を作る「死後薬方文」式の処方はしてはならない。より根本的な対策を構想しなければならない。
当局者らの関心はより根本的で巨視的なことから具体的なことへと絞っていくべきだ。直ちに目に見える何かを出そうとするよりは、長期的な見識で国家が何をしなければならないのかを徹底かつ冷静に省察しなければならない。
(姜煌先〈カンファンソン〉建国大行政大学院長・行政学、4月23日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。