日本に対する国際社会の憂慮深まる


韓国紙セゲイルボ

 最近になって日本を眺める国際社会の視線の中に憂いが深まる傾向が見いだせる。特に今回のダボスフォーラムが政治家たちの言動によって、「世界秩序の再編」という非常に創意的で未来志向的な問題意識を投げながら、そのアイデンティティーが多分に薄められたという指摘も多い。

 それだけでなく、日本の絶対友邦である米国さえも時間がたつほど、止まるとは思われない日本の非正常性に深い憂慮の視線を送っているのが実情だ。

 もちろん筆者は日本国内すべての政治家、知識人、あるいは言論人が一つの考えだけを共有しているとはみない。良識ある知性もたくさんあり、実際に日本国民の相当数は平和憲法改正に反対の声を明確に出している。

 問題は歪曲(わいきょく)された歴史認識が政治的損益計算の次元に転換されて、特定政治集団によって、持続的に政治論理として再生産されるならば、その結果は結局、日本社会全体のアイデンティティーの問題として帰着するほかはないという事実だ。

 この場合、政治論理として再生産させる土壌は、日本の「失われた10年」で生じた経済力と政治力の間隙を埋めようとして引き出された「普通国家化論理」であるし、不適切な歴史観に起因した政治指導者らの利己心だともいえるだろう。

 私たちにとって、正道はただ一筋だ。正義と歴史は客観的事実と国際規範に立って、一寸も退かないということだ。最近のように日本に対する国際社会の憂慮が深くなる状況では多様な軌道の国際的勢いも確保していかなければならない。

(朴仁煇〈パギンフィ〉梨花女子大国際大学院教授・国際政治学、1月29日付)