産業化・民主化両勢力の協調、金氏の統合的歴史認識に学べ


韓国紙セゲイルボ

600

朴正煕元大統領(左)と金大中元大統領

 同族間が争った韓国動乱の廃虚の中から、韓国は目覚ましい経済発展を遂げた。後進国が目標にする国の姿は産業化勢力、民主化勢力、そして国民との合同作品である。

 国民が朴正煕(パクチョンヒ)元大統領と金大中(キムデジュン)元大統領という傑出した指導者を得たのは天佑神助の幸運だった。

 「朴正煕元大統領がいなかったとすれば今日の韓国はない。彼は献身的であったし、個人的に着服せず、熱心に仕事をした。国家に一身を捧(ささ)げたリーダーであった」(エズラ・ボーゲル米ハーバード大教授)。

 「金大中元大統領は民主主義のために拉致、投獄、死刑宣告を受けながら、闘争した偉大な人物だ。彼の人生はネルソン・マンデラ前南アフリカ共和国大統領の人生にも肩を並べる」(仏紙ルモンド)。

 外国では2人の大統領に対する肯定評価が圧倒的だが、彼らは国内でむしろ辛い評価を受けている。産業化勢力は金大中元大統領を、民主化勢力は朴正煕元大統領を批判してさげすむ。両勢力の相互不認定と不和。韓国社会の理念葛藤の根はここから始まる。

 民主化勢力は産業化勢力の民主主義毀損(きそん)を批判する。一方、産業化勢力は民主化勢力が反対だけを行っていて、経済発展の障害物になったと主張する。だが、これは短見だ。産業化勢力は民主化に、民主化勢力は産業化に寄与したことは学問研究の結果が立証している。

 「朴正煕元大統領の近代化成功で中産層が創出され、これが韓国民主主義の土台になった。朴元大統領こそ韓国民主主義発展に最も大きく寄与した」。これはウィリアム・オーバーホルト・ハーバード大学教授の話だ。

 民主化勢力の監視は朴政権の腐敗を防いで、結果的に産業化を促進したことも周知の事実だ。産業化勢力と民主化勢力は両者とも国家のために献身した愛国者なのだ。

 最近論議が起きている元大統領墓地参拝と教科書問題から、まず解決法を模索してみるのはどうだろうか。野党民主党指導部は李承晩(イスンマン)・朴正煕元大統領の墓地を無視している。金大中・盧武鉉(ノムヒョン)元大統領墓地を参拝した与党セヌリ党とは異なる。

 金元大統領は1992年、李承晩・朴正煕元大統領の墓地を参拝し、「ご両人が残した功績だけを考えよう。後は歴史の評価に任せよう」と語った。金元大統領のリーダーシップを引き継ぐという民主党がどうして彼の統合的歴史認識は習おうとしないのか疑問だ。

 歴史教科書採択論議も同じだ。偏狭な見解で韓国の近現代史を裁く愚を犯してはならない。保守・進歩両陣営の学者らが額を突き合わせて、産業化と民主化の成果をバランスよく扱った統合教科書を作るのはどうだろうか。論争が必要な部分は両者の見解を併記するのも良い方法だ。

 四分五裂した国家力量の凝集なしでは韓国の先進国入りは難しい。産業化勢力と民主化勢力の握手は断れない時代の命令である。

(金煥起〈キムファンギ〉論説委員、1月16日付)