仏大統領、外交ボイコットを否定 象徴的行動に懐疑的
フランスのマクロン大統領は9日、北京で開催される2022年冬季五輪・パラリンピックの「外交ボイコット」について、象徴的行動は効果がないとし、加わるつもりはないとの見解を示した。ブランケール国民教育・青少年・スポーツ相も同日、五輪に対する政治行動は取らないと説明した。
マクロン氏は「選択肢は完全なボイコットによってアスリートを送り込まないか、または有用な行動で物事を変えようとするかだ」と主張。中国の女子プロテニス選手、彭帥さんが消息不明になった問題については、アスリートを保護する憲章について国際オリンピック委員会(IOC)と協力していくと語った。
フランスは来年1月から欧州連合(EU)議長国を務めるため、マクロン氏の発言は注目を集めている。一方で、次期大統領選が来年4月に迫っているが、同氏は未(いま)だ立候補を表明していない。中国に厳しい右派が勢いづく中、マクロン氏の方針は弱腰と批判されるのは必至とみられる。
(パリ 安倍雅信)