イラン核協議で成果なし
欧米側に失望感 来週にも再開
ウィーンで先月29日から再開されていたイラン核協議は3日、成果を挙げられないまま終了した。欧米外交筋によると、来週、再び協議を続けるという。
英仏独の欧州3国はイラン核合意を救済するためにイラン側に核開発計画の制限を求めたが、イランは核合意復帰のためには米国の対イラン制裁の全面的解除が前提とする立場を堅持し、譲歩の姿勢を見せなかった。
3国の外交筋は「イラン代表団は6月に協議が停止する前に合意してきた内容から後退し、双方の立場は一層隔たった」と指摘、失望感をにじませた。
今回の核協議は5カ月ぶり。イランで反米保守強硬派のライシ師の大統領就任後初めてで、イランの新指導部がどのように対応するか注目された。
バイデン米政権はイランの合意復帰を求めて、間接交渉を行ってきたが、イラン指導部で反米・反イスラエル路線が台頭し、交渉はさらに難しくなってきた。
(ウィーン 小川敏)