IAEA、イラン核問題など協議


事務局長、未申告施設に懸念表明

IAEA

 ウィーンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が13日、5日間の日程でを開幕した。同理事会(理事国35カ国)ではイランや北朝鮮の核問題などが協議される。

 グロッシ事務局長は冒頭声明で、イランが2月23日、IAEAの抜き打ち査察を拒否して以来、同国の核計画の全容解明が困難となっていると指摘、「イラン国内の未申告の3カ所の施設で人為的な起源の複数のウラン粒子、これらの場所の1カ所で同位体変質粒子が発見されたが、イランはIAEAの質問にこれまで答えていない」と、深い懸念を表明した。

 一方、IAEAは8月末、北朝鮮が7月初めから寧辺の黒鉛減速炉(5000キロワット)を再稼働させた兆候があることを明らかにした。IAEAの9月定例理事会の報告書によると、黒鉛減速炉で冷却水排出などの兆候が観測されたという。

 グロッシ事務局長は冒頭声明の中で「建設中の軽水炉は内部工事が継続されている。北の核計画は明らかに国連安保理決議、IAEA理事会決議に反している。核拡散防止条約(NPT)の核保障措置協定を順守し、IAEAと協力すべきだ」と述べ、北朝鮮の核問題に深い懸念を表明した。

(ウィーン・小川敏)