SNSで若者に接種呼び掛け
Tシャツ姿のマクロン氏 フランス
フランスのマクロン大統領は2日、南仏の大統領専用別荘、ブレガンソン要塞から黒いTシャツ姿で自らのスマートフォンを用い、ショートビデオアプリ、TikTokに登場し、若者に向かって新型コロナウイルスのワクチン接種を呼び掛けた。アクセス数は100万回を超え、マクロン氏は若者たちの質問に積極的に答える姿勢を示した。
インド由来のデルタ株感染が急速に広がっており、政府は先月、医療・介護従事者のワクチン接種義務化、および施設入場や飲食店利用に接種と抗原検査などの証明書「健康パス」提示義務の適用拡大を打ち出し、9日からの施行に向け憲法裁判所の決定を待つ段階にある。
これに反対する抗議デモが3週連続で起き、7月31日には全国各地で計20万人以上が参加、抗議運動はエスカレートしている。
政府は、経済活動を止めずに感染力の強いデルタ株の感染抑制を行うため、課題となっている若者へのワクチン接種拡大を推し進めたい考えだ。このためマクロン氏は、若者が多用するコミュニケーションアプリを使い、スーツ姿ではなく、Tシャツで若者に語り掛けた。
ワクチン接種に抵抗のある若者に寄り添う形で、TikTokに四つのビデオメッセージを投稿し、「ワクチンは人の命を救い、ウイルスを死滅させる」とメッセージを流した。大統領の側近は「このメッセージは、正当な疑いを持つ人と不当な暴力行為を行う人を区別するために必要だった」と説明している。
(パリ・安倍雅信)