仏地方選 与党大敗、中道右派が勝利


 

27日、パリ郊外の仏極右政党「国民連合(RN)」本部で会見するルペン党首(EPA時事)

フランスのマクロン大統領=25日、ブリュッセル(AFP時事)

右派・国民連合振るわず

 フランスの地域圏・県議会選挙の決選投票が27日に行われ、開票の結果、マクロン大統領が創設した与党・共和国前進(LREM)は海外領土を除いた全ての地域圏で敗北したことが明らかになった。躍進が予想されたマリーヌ・ルペン氏率いる右派・国民連合(RN)も、念願だった最低一つの地域圏制覇はかなわなかった。

 2022年春に予定される大統領選挙の前哨戦と位置付けられた選挙だが、大統領選で対決が予想されるマクロン、ルペン両氏にとって厳しい結果となった。地域圏議会では、共和党率いる中道右派系グループが前回15年同様、パリ首都圏など7地域圏を制するとみられ、社会党率いる中道左派系グループが5地域圏を制する見通しだ。

フランスのマクロン大統領=25日、ブリュッセル(AFP時事)

27日、パリ郊外の仏極右政党「国民連合(RN)」本部で会見するルペン党首(EPA時事)

 一方、RNは、優勢が伝えられた仏南部プロバンスアルプコートダジュール(PACA)地域圏議会で結果を出せなかった。中道右派、中道左派政党がRN勝利阻止のため団結したことについて、PACAでRN候補者リストのトップのティエリー・マリアーニ氏は「政策でまったく一致しない政党が共闘を組んだ不公正な選挙だった」と不快感を露(あら)わにした。

 第1回投票同様、投票率は30%台と非常に低く、ルペン氏は選挙後「地方民主主義の深刻な危機だ」と指摘した。

(パリ・安倍雅信)