EU3トップ、ロシアに警告 制裁を強く非難


 欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長、サッソリ欧州議会議長は4月30日、ロシアに対する共同声明を出し「EUは適切な手段を取ることができる」と警告した。EUが3月、ロシア反体制派指導者ナワリヌイ氏への実刑決定問題などをめぐり、ロシア高官ら計6人に制裁を科したのに対して、30日、ロシアが対抗措置を発表し、EUは強く反発した形だ。

欧州連合(EU)の左からフォンデアライエン欧州委員長、サッソリ欧州議会議長、ミシェル大統領=2020年1月、ブリュッセル(AFP時事)

欧州連合(EU)の左からフォンデアライエン欧州委員長、サッソリ欧州議会議長、ミシェル大統領=2020年1月、ブリュッセル(AFP時事)

 ロシア外務省は4月30日、サッソリ氏を含め、欧州委員会のヨウロバー副委員長(チェコ出身)、EU加盟国の高官ら計8人にロシア渡航を禁じると発表した。その説明として「ロシアの外交、内政の独立が公然と挑戦を受けている」と主張した。

 この決定に対してEU側3首脳は即座に反応し、「最も強い言葉で非難する」とロシアに通告し、ロシアの制裁決定に関し「受け入れられない。法的正当性を欠き全く根拠がない」と徹底的に批判。制裁の対象となった8人だけでなく「EUを直接対象としたものだ」と指摘し、EUは結束して立ち向かう姿勢を示した。

(パリ 安倍雅信)