「家族の思いを背負い」、震災不明者を捜索


岩手で1110人 宮城で1215人不明、両県警が捜索を実施

「家族の思いを背負い」、震災不明者を捜索

東日本大震災の発生から11年となるのを前に、海岸で行方不明者の手掛かりなどを捜す警察官ら=10日午前、岩手県大槌町

 東日本大震災から11年を迎えるのを前に、岩手、宮城両県警は10日、両県の沿岸部などで行方不明者の捜索を実施した。福島県警も11日に捜索する。

 岩手県では2月末時点で1110人が不明のままとなっている。最も不明者が多い大槌町の小久保海岸では、釜石署や釜石海上保安部などの約70人が熊手などで砂浜を掘り起こし、潜水士が海中を捜した。

 大槌町出身で釜石署の橋本明日香巡査(25)は「待っている家族の思いを背負い、一つでも(手掛かりを)見つけるという強い気持ちで捜索する」と話した。

 宮城県によると、不明者は2月末時点で1215人。211人が見つかっていない南三陸町では、南三陸署員8人が漂流物の多い海岸約150メートルを捜索した。8人中5人が、震災後に拝命したという。工藤嘉久地域課長(40)は「11年たっても遺族の思いは変わらない。一つでも多く手掛かりを見つけたい」と語った。