津久井やまゆり園、新園舎を再建し開所式を開催
殺傷事件から5年を前に、「やっと帰ってこられる」
2016年7月に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件から5年となるのを前に、神奈川県は新園舎を再建し、4日開所式を開いた。
式には施設や県関係者ら約45人が参列。黒岩祐治知事はあいさつで「5年前の出来事を忘れることができない。死刑判決が確定した今も犯人を許すことができない思いでいっぱいだ」と振り返った。
式終了後、家族会の大月和真代表は取材に応じ、「やっと帰ってこられるのだなと実感した」と話し、「(利用者には亡くなった)19のみ霊が空から見ていてくれることを励みに、楽しい生活をしてほしい」と期待を寄せた。
事件は16年7月26日に発生。入所者19人が亡くなった。事件後、同園では入所者の居住棟が全面改修されるなどし、新園舎で8月1日から利用者が新たな生活を始める。
県によると、施設は1階建てと2階建ての計2棟からなり、定員は66人。入所者のプライバシーを確保し、一人ひとりのペースに合わせた生活ができるよう、全室を個室にした。県は事件後、横浜市にも入所者を受け入れる「芹が谷やまゆり園」を整備している。