広島市、過去最大級の被爆遺構を報道陣に公開
スタジアム建設予定地で発見、旧陸軍の輸送部隊施設
広島市はこのほど、市内のサッカースタジアム建設予定地で見つかった旧陸軍施設の被爆遺構を報道陣に公開した。被爆遺構としては過去最大級で、市文化振興課は「広島が軍都という位置付けだったことを伝える史料の一つだ」としている。
公開された遺構は、戦地に物資を送る旧陸軍の部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」の施設。スタジアム建設予定地となっている広島城西側の中央公園広場(中区)の発掘調査で見つかった。
遺構からは、兵舎などの建物の基礎や水路、厩舎(きゅうしゃ)の跡が確認された。厩舎周辺からは馬の骨や蹄鉄(ていてつ)も発見され、原爆で死んだ可能性があるという。施設は爆心地から1キロ以内に位置し、原爆投下で建物は全壊。400人以上が死亡したとされる。