北村八街市長が釈明「財源が限られ対策届かず」
「痛恨の極み」、児童死傷事故現場、5年前から危険と認識
千葉県八街市で下校中の小学生の列に大型トラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故を受け、北村新司市長らが30日、記者会見し、事故現場の対策について「財源が限られた中で、大変申し訳ないが十分な措置ができなかった」と釈明した。市は今後、通学路の危険箇所を見直し、速度規制を県警に要望する。ガードレールの早期設置は難しいため、車道外側に早急に線を引くなどの対策も進める。
北村市長は「飲酒運転であれば絶対に許されない」と非難。現場について「車両が増えたと最近聞いた。(対策を)検討しないといけないと思っていた」と話した。
同席した市教育委員会の加曽利佳信教育長は、市教委が2016年度から、事故現場を道路の狭さなどから危険と認識していたと説明。「看板の設置などはしたが、ガードレールの設置まで至らず、痛恨の極みだ」と語った。
市によると、児童が事故に遭った市立朝陽小のPTAと、近隣の八街北中PTAの会長が08~11年度に毎年連名で、現場の市道にガードレールを設置するよう市に要望していた。市はこの日、要望が14年度ではなかったと訂正した。
要望に対し、市は「用地買収、建物移転などから多額の費用を要し、非常に難しい」と回答していた。担当者は「ガードレールの設置は、他の事業を優先して先送りされ、検討していなかったのが事実」と話した。
同市では16年11月にも、国道を走っていたトラックが朝陽小児童の列に突っ込み、4人が重軽傷を負う事故が発生している。北村市長は「ドライバーへの交通安全の実施や、登下校時の安全対策の注意点などを指導してきた。本当に残念だ」と悔しさをにじませた。