りゅうぐうの砂をX線で透視、内部構造を分析へ


海洋機構など、 大型放射光施設 「スプリング8」 で分析開始

りゅうぐうの砂をX線で透視、内部構造を分析へ

探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「りゅうぐう」の砂をX線で撮影する装置=20日午前、兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」(海洋研究開発機構提供・時事)

 探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂の分析が20日、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)で始まった。海洋研究開発機構などの分析チームが、高解像度のX線コンピューター断層撮影(CT)装置を使い、砂の内部にあるとみられる水を含んだ鉱物や有機物などを詳細に分析する。

 記者会見した海洋機構の伊藤元雄主任研究員らによると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から提供を受けた計8粒、60ミリグラムのりゅうぐうの砂を分析。1粒当たり1800~3600枚のX線画像をさまざまな方向から撮影し、3次元像に再構成して詳細な内部構造を調べる。

 こうしたデータは、実際に砂や粒子を切断して内部を直接調べる際の手掛かりになるといい、伊藤さんは「地球にある水や有機物がどこから来たのか。小惑星から来たとしたら、りゅうぐうがどういう役目を果たしたのかを解明したい」と話した。