外国船と衝突し貨物船「白虎」が沈没、3人不明
愛媛県今治市沖来島海峡で、救命胴衣だけ着けて飛び込む
27日午後11時55分ごろ、愛媛県今治市沖の来島海峡で、「外国船と日本船が接触した」と第6管区海上保安本部に通報があった。今治海上保安部によると、東京都に船籍港がある貨物船「白虎」(1万1454トン)が外国船と衝突し転覆、28日午前2時40分ごろ沈没した。
この事故で、白虎の乗組員12人のうち船長の佐藤保さん(66)、1等機関士小川有樹さん(27)、2等機関士上畠隆寛さん(22)が行方不明となった。残る9人は救助され、命に別条はない。
衝突したのはマーシャル諸島船籍のケミカル船「ULSAN PIONEER」(2696トン)で、乗員13人は全員無事だった。
白虎を所有する「北星海運」(東京都中央区)によると、12人はいずれも同社社員。救助された乗組員は、左舷後方付近にケミカル船が接触したと説明しているという。同社担当者は「携帯電話や身の回りの物も持たず、救命胴衣だけ着けて海に飛び込んだほど沈むスピードが速かったようだ」と話した。
現場は今治市の北北東約4・5キロの瀬戸内海。白虎は27日午後4時半に神戸港を出発し、福岡県の苅田港に28日早朝、入港予定だった。ケミカル船は中国から大阪港に向かっていた。
同保安部などは白虎とみられる船体を海中で確認。3人を捜索するとともに、事故原因などを調べている。