歌舞伎俳優の片岡秀太郎さんが死去、79歳


慢性閉塞性肺疾患のため、人間国宝で上方を代表する女形

歌舞伎俳優の片岡秀太郎さんが死去、79歳

歌舞伎俳優の片岡秀太郎さん(時事)

 上方歌舞伎を代表する女形として活躍した歌舞伎俳優で人間国宝の片岡秀太郎(かたおか・ひでたろう、本名彦人よしひと)さんが23日午後0時55分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため大阪府吹田市の自宅で死去した。79歳だった。同市出身。葬儀は親族のみで済ませた。

 1941年に十三代目片岡仁左衛門の次男として生まれ、46年10月、京都市の南座で初舞台を踏んだ。56年3月の大阪・歌舞伎座「河内山」の浪路で二代目片岡秀太郎を襲名。

 上方らしいはんなりとした芝居を継承する女形として長年舞台に立ち、「恋飛脚大和往来」の梅川やおえんなど上方の情趣が不可欠な役に秀で、「盛綱陣屋」の微妙など時代物の老女役などで風格を示した。

 また、97年に開講した「松竹・上方歌舞伎塾」や、2014年開校のこども歌舞伎スクール「寺子屋」で講師を務めるなど、後進の育成と上方歌舞伎の振興にも力を注いだ。

 19年に人間国宝に認定。昨年12月、平敦盛の母・藤の方を演じた南座での「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」が最後の舞台となった。今年4月、旭日小綬章を受章した。

 十五代目片岡仁左衛門さん(77)は弟、片岡愛之助さん(49)は養子。