文化審議会が答申、代々木競技場を重要文化財に


東京五輪・パラ会場、丹下健三氏によるダイナミックな建築

文化審議会が答申、代々木競技場を重要文化財に

重要文化財に指定するよう答申された国立代々木競技場の第1体育館(左)と第2体育館(日本スポーツ振興センター提供・時事)

 文化審議会(佐藤信会長)は21日、1964年の東京五輪の際に建築された国立代々木競技場(東京都渋谷区)など7件の建造物を新たに重要文化財に指定するよう、萩生田光一文部科学相に答申した。答申通り告示されれば、重文の中で最も新しい建造物となる。

 代々木競技場は世界的な建築家、丹下健三氏の代表作で、第1、第2体育館の2棟を答申。ケーブルで屋根と観客席を支える「吊り構造」など前例のない技法を開発し、空前のダイナミックな建築を実現したと評価した。体育館が重文に指定されるのは初めて。

 64年の五輪では、第1体育館は水泳会場、第2はバスケットボール会場として使われた。今夏の東京五輪・パラリンピックでも、第1体育館がハンドボールやバドミントンの会場として使われる予定。

 文化審議会の答申は次の通り。

 【重要文化財】

 木村産業研究所(青森県弘前市)▽代々木競技場(東京都渋谷区)▽御前埼灯台(静岡県御前崎市)▽長命寺(滋賀県近江八幡市)▽第一大戸川橋梁(滋賀県甲賀市)▽旧松坂屋大阪店(大阪市)▽旧西脇尋常高等小学校(兵庫県西脇市)

 【重要伝統的建造物群保存地区】

 南越前町今庄宿伝統的建造物群保存地区(福井県南越前町)▽若桜町若桜伝統的建造物群保存地区(鳥取県若桜町)▽廿日市市宮島町伝統的建造物群保存地区(広島県廿日市市)