中国に買収される北海道
北海道の自然を守るある会合で、隣席の女性から1冊の本、「爆買いされる日本の領土」(角川新書)と、昨年11月発行の「SAPIO」の記事「中国人富裕層“専用”ゴルフ場まで出現!北海道が『中国人自治区』となる日」のタイトルで書かれた、産経新聞編集委員の宮本雅史氏の驚くべき記事を頂いた。
10年ほど前、ある茶店で若い青年が寄ってきて「今、千歳空港近辺を中国人が買っています」と耳打ちしたが、私は聞き流していた。それらを行政や政治家は知らないはずはない、と私は思っていたのが間違いだった。
宮本氏は、「これは武器を持たない戦争だ」と書き、既に中国の目的は「『一帯一路』で狙われる釧路」と言明している。
習近平氏が提唱する経済圏構想で、中国から釧路沖を通過して太平洋に出るルートが、重要視されている。
航空自衛隊千歳基地に程近い高台には、既に6500平方メートルの敷地に中国人専用の高級別荘地が立っているという。千歳基地が一望できる重要地点の、陸上自衛隊東千歳駐屯地から3キロという近い距離で、2014年に隣接する千歳市議会でこの件が取り上げられたようだ。15年には中国企業が星野リゾートマム(占冠村)の株式100%を買収し経営とのこと。
さらに札幌から車で1時間、羊蹄山の麓の喜茂別町の山中に、「これより先 私有地につき関係者以外立ち入り禁止」の看板が立って、その先は210ヘクタール(東京ドーム45個分)の広大な土地にゴルフ場と超豪華なクラブハウスが併設、「中国人による中国人のためのプライベートゴルフ場」と噂(うわさ)になっているらしい。
「星野リゾート」というから、日本企業の経営かと思われるが、経営は中国系企業で、管理だけの仕事を「星野リゾート」が行っているという。これが占冠村にできた総合リゾート施設で、巨大タワーホテルやスキー場もあるという。その写真も載っていたが、そこに中国人が住むようになり、農産物や水、エネルギーを占有すれば、日本に中国の自治区ができると宮本氏は懸念している。
事実、中国の一部メディアは、「北海道は10年後に中国の32番目の省になる」と、予測しているというのだ。
さらに在日の中国人論客は、「中国は北海道を20年前から狙っている」と警鐘を鳴らす。かつてウイグル人が住む土地にじわじわと入植し、ある日突然に「ここはわれわれの自治区だ」と豹変(ひょうへん)して、ウイグルを中国の自治区として編入してしまった、という現実もある。確かに、今の北海道への“侵入”は、それを否定できない様相を示しているようだ。
日本の政治家は、何をしていたのだろうか。自国の国民主権を守る法がなかったのだ。
今、北海道が危ないと宮本氏は見ている。
われわれ一般市民は、隣国中国人とも仲良く交流したいと願う。しかし、知らぬ間に国土が“侵略”され、気付いた時に中国の省になっていたとしたら、150年の開拓の父祖の労苦は無になるのだ。宮本氏は言う。「早急に外国人の土地所有規制法の整備が必要である」と。国土を守る政治力は、政治の基本であることを忘れてはならない。