偏向した共産系女性運動
共産党や左翼は、福田淳一前財務省事務次官が在任中にテレ朝の女性記者にセクハラをしたと主張して、福田氏を次官に任命した麻生太郎財務大臣の辞任を要求している。しかし、日本共産党や左翼の主張は正当なのだろうか?
日本共産党と関係が深い団体で女性を代表する団体である新日本婦人の会は、5月9日、「セクハラのない社会をどうつくる」を開催した。パネリストは、戒能民江お茶の水女子大学名誉教授、明珍美紀新聞労連元委員長、笠井貴美代同会会長であった。
同日、同会は「セクハラのない社会をつくるために」という緊急提言を発表したが、5項目の緊急要求の中には、「女性の人権をおとしめ、憲法をないがしろにし、うそと改ざん、隠ぺいを重ね、9条改憲とともに戦前の封建的家族制度の復活までねらう安倍政権は、ただちに退陣すること」という語句もある。新日本婦人の会と共闘する女性教授、女性弁護士、あるいは同会の地域の会員は、同会活動家が、「安倍政権=戦前の封建的家族制度の復活をねらっている」とレッテル貼りすることのお先棒を担いでいることを知るべきである。
そもそも同会とは、会の名称からして差別的である。「婦人」ではなく、「女性」という言葉を使うべきである。同会の全国の公称約9000の班名は、ひまわり班、カトレア班など花の名前などが多い。自分たちで差別的な班名を付けている? 同会の五つの目的の中には、「子どものしあわせのために力をあわせます」とあり、男性は子供の幸せを女性ほど考えないという男性蔑視である。規約には、全国(都道府県)大会の「任務」、「機関紙」などの語句があり軍隊的である。
共産党はミスコンに反対するだけでなく、アイドルの存在も否定している。女性が男性に人気を得ようという行為は禁止されている。仮に共産党が政権を取ったら、歌手は共産党を讃えるような歌のみ許される。共産党を応援する歌手に警告する、自殺行為だと。中国で文化大革命のころ、女性はまったく飾り気のない人民服を着ていた。ネックレスや指輪などご法度である。共産党は、規約にある通り、労働者階級の党であり、女性の地位向上という大衆運動をする大衆である女性も入党できると言っている。
共産党のセクハラ反対運動は現実にそぐわない。女性による男性へのセクハラへの言及がまったくない。東京都や各種の男女平等相談所に持ち込まれる相談の約1割は、被害者が男性であるという事実を無視している。欧米などでは、女性に優先的にポストが割り当てられ、納得できない男性が訴訟するという逆アファーマティブアクションが昔からあるが、共産党には言及がない。
女性共産党活動家などが、保守系の男性に対して、ステレオタイプ的に、女性差別主義者と攻撃するのは、直ちにやめさせなければならない。女性の武器などと自慢する人はもっての外である。共産党は、脳などの構造の違いによる男女差への言及を極端に嫌うが、かえって不都合が生じたりする。