目立つ共産党新聞広告 「あなたが主役」と言いながら…
憲法等でキャンペーン
共産党が、長期戦略で活動を開始している。今年の憲法記念日の集会に、安倍首相は、ビデオメッセージで「2020年を新憲法が施行される年にしたい」と言明したが、共産党や共産党系の団体は出足早く、「憲法9条を守ろう」などとキャンペーンを張っている。
たとえば、共産党が朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、日本経済新聞に先日掲載した、共産党の都議選に向けた全面広告には、大きく「憲法9条守ろう」の語句がある。憲法改正の審議が進めば、反対運動を起こすと予想される。共産党としては、憲法9条を守ろうとのキャンペーンを大々的に繰り広げることにより、高齢化する党組織にたくさんの青年党員を獲得できる、あるいは消滅寸前の労働運動に新たな労働組合活動家を獲得し、労働運動を活性化できるなどの目論見(もくろみ)がある。
新憲法施行を無事に成功させるためには、推進する側も出足早く取り組む必要がある。現在、都議選の真っ最中である。共産党は、「東京から(国政の)流れを変える」をスローガンに、国民への宣伝を大規模に行っている。都政は、大地震対策、福祉、教育などたくさんの課題をかかえているが、都議選の後に予想される総選挙で共産党が議席を伸ばすために都議選を踏み台にしようとする戦略である。有権者は、都民が今、本当に必要としている防災、福祉、教育のためには、どの候補者に投票したらよいか、冷静に考える必要がある。
安倍首相が「新憲法施行」を言明してから、共産党は、「まもろう憲法9条 ストップ!安倍改憲」と文字の入った青い旗を若い人が振っているポスターを作製して張り出した。日本民主青年同盟の機関紙である『民主青年新聞』は、「安倍暴走政権」対「市民と野党」とか、「憲法9条を守ろう」などの記事を、毎号のように掲載し、青年をあおっている。
日本民主青年同盟とは、規約にも明記されているように、共産党を相談相手とし、共産党について学び、選挙の時には中央委員会で決議をあげて共産党の躍進のために運動する組織である。『民主青年新聞』には、共産党志位委員長の「共産党の綱領を学ぼうセミナー」などの特集記事が1面に掲載されたり、共産党理論雑誌『前衛』や共産党の出版物の広告が掲載されたりする。記事にも警察を「人民の弾圧機関」として批判したり、「労働組合を結成しよう」といったものが多い。自分の子どもが民主青年同盟に入り、平和デモに参加したいと言った場合、慎重な態度が必要であろう。
実際は民主集中制の党
今回、共産党は、2014年の衆議院議員選挙時に続いて、主要新聞に全面広告を掲載した。18日付の朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、19日付の日本経済新聞(すべて首都圏版)に掲載した。今後、共産党の選挙時の戦略として全面広告が定着していくと思われる。ポイントは、政治的な新聞広告には、みんなでお金を出し合ってというイメージがあるということである。
実際、共産党は新聞広告掲載にあたり、広告掲載料のための寄付金を大規模に募集している。寄付した人には、あなたも含めたみんなで出した広告と満足感を感じさせることができる。
共産党の運動には、国会をみんなで手をつなぎ合わせて囲んだり、みんなでリズムに合わせてコールしたりと、「あなたも主役」と感じさせる作戦が多い。
しかし、国民は共産党は民主集中制の党であり、上級機関に下級機関は無条件に従わなければならない組織原則であるということを忘れてはならない。





