歴史・伝統を歪めた戦後 日本の良さを伝えよう
外国で評価される日本
この春に、買って置いてあった3冊の本を読んだ。
最初の1冊は、竹田恒泰氏の「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」(PHP新書)で、次は同じPHP新書の「ハーバードでいちばん人気の国・日本」(佐藤智恵著)で「15万部突破」のマークが表紙に付いていた。そして3冊目が曽野綾子氏の「引退しない人生」(PHP文庫)だった。
特に曽野綾子氏は、私も同世代で、以前に「絶望からの出発」も読んで共感していた。
カトリックの誠実なヒューマニズムと自己犠牲も厭(いと)わない精神は、現代の日本社会の歪(ゆが)められたものの見方、考え方に疑問を抱いているように思われた。
若手著述家で明治天皇の玄孫に当たる竹田恒泰氏は、全国で竹田研究会も開催しているという。連綿と続く日本の皇室と2千年を超えるわが国の歴史との密接な関係を、今の世に伝えるべく努力をしておられるようだ。
戦後の教育に関わってきた私としては、一部教師による偏見と、歴史の否定など政治的に歪められた歴史観に日本の将来の不安を感じていたが、恐らくそれらの不安も徐々に解消されていくことだろう。
歴史の真実は、時の為政者の思惑で歪められることもあろうが、真実はいずれ現れる。
竹田氏のような若手研究家の実践は、大いに期待してやまない。
もう一人の作家、佐藤智恵氏は1970年生まれで、米国コロンビア大学経営大学院卒業後、作家・コンサルタントとして活動している。
日本人が知らないアメリカの大学教授たちが日本の素晴らしさを教える現実を、彼女は明確に知らせ、日本企業や経営者のさらに高度な経営を外国に向けて発信することを勧めている。日本がより大きく発展できる可能性を知性を持って語り示す力強いパワーを感じる。
私も若いころの40日余りをカリフォルニア大学ロサンゼルス校の寮に宿泊し、アメリカ人の気質・思考や一般人の生活状態を観察してきたが、日本の学生や若者はもっと多くの時間を取って、米国や、ヨーロッパを見てくる必要がある。
日本人の気質は誠実、真面目、熱心さがあると、欧米人は驚いているのだ。
しかし、残念ながらその利点をわれわれ日本人は外国に向けて、発信していない。
今回、政府も教育に「道徳」と「英語」を大きく取り入れるように改善したようだが、少し遅過ぎの感ありと、私も感じている。
私がアメリカへ出掛けたのは40代の頃だが、英語のできる友人を通訳にして、何不自由なくカリフォルニアを回って歩いた。アメリカ人の気質は非常に明るく親日的で、民泊もさせてもらい、学校も視察し校長にも会った。8月なのに小・中学校は平常通りの授業だった。
自覚を欠く原因教育は
教会にも出向き、日本の牧師とは全く違うジーンズ姿で力強く説教する姿に驚いた。民泊した主婦の案内で出向いたプロテスタントの教会だったが、アメリカの庶民生活に溶け込んだ、生きる力を与える説教を感じた。
後日、ニューヨーク、ワシントンも回ったが、欧米人はもっと強く日本を知りたがっている。
日本の良さを世界に広める必要がある。
ようやく今、若手作家や研究家が日本の良さをアピールし始めたが、日本人自身が自国の良さを自覚していないのかもしれない。
恐らくその原因の一つは教育にあると思う。
日本は歴史や伝統・文化の優れた国である。庶民は誠実で自然を愛し、家族愛に満ちた優秀な民族であること、その伝統・文化を大切にして、自分もその継承者の一人であることを教え、子供たちに希望と夢を持たせるのも、教育の大切な務めであろう。 教会にも出向き、日本の牧師とは全く違うジーンズ姿で力強く説教する姿に驚いた。民泊した主婦の案内で出向いたプロテスタントの教会だったが、アメリカの庶民生活に溶け込んだ、生きる力を与える説教を感じた。
後日、ニューヨーク、ワシントンも回ったが、欧米人はもっと強く日本を知りたがっている。
日本の良さを世界に広める必要がある。
ようやく今、若手作家や研究家が日本の良さをアピールし始めたが、日本人自身が自国の良さを自覚していないのかもしれない。
恐らくその原因の一つは教育にあると思う。
日本は歴史や伝統・文化の優れた国である。庶民は誠実で自然を愛し、家族愛に満ちた優秀な民族であること、その伝統・文化を大切にして、自分もその継承者の一人であることを教え、子供たちに希望と夢を持たせるのも、教育の大切な務めであろう。