リオ五輪で日本勢奮闘 スポーツで輝く若者たち
強い心が希望を拓く
ブラジルのリオデジャネイロで開かれたオリンピック、パラリンピックが閉幕した。オリンピックでは日本は過去最多の41個のメダルを獲得した。
男子体操団体総合で金メダルが取れたのは、内村航平選手をリーダーとする5人のチームワークが決め手と言えるだろう。
他に柔道男子のベイカー茉秋選手(90㌔級)、大野将平選手(73㌔級)、柔道女子の田知本遥選手(70㌔級)、競泳男子の萩野公介選手、競泳女子の金藤理絵選手らが奮闘して金メダルを12個取り、さらに銀8個、銅21個の計41個というメダル獲得となった。
4年後の東京オリンピックへの選手たちの意気込みもあっただろう。スポーツという世界の舞台で、日本の若者たちは輝いた。その陰には父母や家族の並々ならぬ応援があったはずである。
選手個人の闘志は勿論(もちろん)だが、それを指導する教師たちと彼らを見守る家庭の応援なしには、たとえ若者に才能があったとしても、これだけの成果を生み出すのは難しい。時間と金、さらに若者らを見守り育てる家族や指導者の情熱と深い愛情の全ての条件が揃(そろ)わなければ、今回のような結果は出ないだろう。
日本国中の目が、遠い南米のブラジル・リオに向けられ、スポーツの祭典を見守った。若者たちの必死の戦いは終わり、8月21日の閉会式(パラリンピックは9月18日の閉会式)。4年後の東京オリンピックに向けて小池百合子東京都知事が閉会式の壇上に立ち、オリンピック旗を受け取った。まさに世界平和のシンボルとも思える閉会式の一コマだった。
橋本聖子選手団長も記者会見で「毎日メダル」を目指したと語っている。“やればできる!!”の強い心が成果につながると、今回のオリンピック選手たちは示してくれた。
今年4月には熊本県益城町を中心に震度7の強い地震があり、多くの死傷者と家屋倒壊の悲劇が起きたが、日本列島は火山列島ともいえる山と森、そして四海に囲まれた島国である。それ以前にも阪神淡路の大地震、続いて東日本大震災で津波被害まで加わった悲劇が人々の心を暗く閉ざしていた。
戦後70年を昨年に迎え、敗戦の苦渋と多くの戦死者の霊を祀(まつ)る靖国神社の参拝までとやかく言われる妙な国柄となっている日本に、今回のリオデジャネイロ・オリンピックの成果は、日本人の心に、そして、多くの若者の心に、明るい希望の灯火(ともしび)を点したことだろう。
オリンピックに人々の関心が向いた夏だったが、高校野球では私の“山の仲間”のI氏の母校、北海高校が準優勝となった。甲子園球場は以前(2013年6月)講演に招かれた報徳学園の直(す)ぐ裏にある。講演に訪れたとき、かつての甲子園大会優勝校の報徳学園の入り口には、少年二宮金次郎像と成人した二宮尊徳像があった。
支えがあって育つ心
国の未来は若者たちの肩に掛かっている。命懸けで頑張って人生を開拓する、その精神と心意気が、若者たちには必要なのだ。健全な若者を育てる父母や家族の支えがあって初めて成り立つ若者の心なのだ。
若者の夢と希望を育てるのは、家庭にあっては父母と家族であり、併せて学校教育が大きく影響するだろう。父母の心を心として学校教師らが、如何(いか)に時間と愛情を注ぐかが若者の成長を決めるのだ。
世界をリードする日本人の育成は、我々大人社会の全ての責任と考えるべきであろう。