世代交代する左翼論客 若年層に向けアプローチ

極左の暴力事件を擁護

 左翼知識人、左翼団体が運動を強化している。要注意である。特に、9月7日は沖縄統一地方選挙があり、沖縄県内の27の市町村と3町村の首長選挙が行われ、11月16日には沖縄県知事選挙が行われる。また、来春には全国で統一地方選挙が行われる。集団的自衛権の問題もからめて、左翼知識人、左翼団体の動きが活発化している。

 以前は、左翼知識人の代表は、大江健三郎氏、森村誠一氏、本多勝一氏、早乙女勝元氏、上野千鶴子氏らであったが、現在、左翼知識人の主力は、東大大学院教授で「九条の会」事務局長の小森陽一氏、東大教授で哲学者の高橋哲哉氏、憲法学者の伊藤真氏、聖学院大学学長で政治学者の姜尚中氏、精神科医の香山リカ氏、作家・社会運動家の雨宮処凛(あまみやかりん)氏らへと比較的若い人たちへと世代交代が進みつつある。彼らは、平和や差別反対、格差社会反対などを訴えながら勢力を浸透させている。安倍自民党政権倒閣へと気勢を上げている。

 高橋哲哉氏は、今や靖国問題の左翼の主力である。数多くの靖国神社を批判する書籍を出版し、論文を発表している。日本共産党系の団体で講演することも多くなった。伊藤真氏は、『赤ペンチェック自民党憲法改正草案』などの書籍を積極的に出版し、雑誌『世界』に連載するなど活発な言論活動を繰り広げている。姜尚中氏は、沖縄の米軍キャンプに抗議して行われる辺野古での左翼の座り込み抗議行動に激励の手紙を出したり、集団的自衛権行使容認に反対の意見を新聞に発表したりしている。雨宮処凛氏などは、社会に不満を持つ若者たちと積極的にイベントを繰り広げ、反安倍政権の世論を広めている。

 特に彼らは、若者向け、中高生向けの、わかりやすい左翼本、左翼論文を次々と発表している。伊藤真氏の『中高生のための憲法教室』、雨宮処凛氏の『十四歳からの原発入門』など多数である。また、読みやすいマンガの本も、安斎育郎氏共著の『まんが原発列島』など多数出版している。

 しかし、彼らは、時々、昔の極左集団の暴力事件を賛美したりする。また、当時首相であった麻生氏の自宅を豪華すぎると押しかけた抗議のデモ隊が逮捕されたが、デモ隊の暴力行為など過激な行動を弁護している。そのような彼らの危険性を国民に知らせなければならない。

沖縄問題の発言増える

 沖縄問題をめぐる彼らの発言が増えてきたことも見逃せない。雨宮処凛氏、佐高信氏ら共著の『日本の今を問う:沖縄、歴史、憲法』、高橋哲哉氏『犠牲のシステム 沖縄・福島』などである。彼らは、沖縄を日本本土と区別し、沖縄の独立感情をあおっている。中国が沖縄を自国の領土として狙う動きがある中、危険な動きである。

 左翼団体の、政府による集団的自衛権行使容認の動きに反対する活動が活発化している。中立の職業団体であるはずの弁護士会が、全国各地で集団的自衛権行使反対の声明を次々とあげている。

 弁護士会は、沖縄問題でも左翼に加担する声明を正式に表明している。憲法学者が集団で8月4日に声明を発表した。日本ジャーナリスト会議、日本ペンクラブなど多くの団体も声明を発表したり集会を開催するなどしている。

 これら左翼団体の目的は日本の歴史を書き換えることだ。太平洋戦争までの歴史は、中国とともに日本軍に対して戦った日本人を中心とし、日本が繁栄した高度成長期の歴史は、公害反対などの市民運動の歴史に書き換え、日本の戦後の歴史を平和運動を展開した市民運動の歴史に書き換えることである。そのような企みを許してはならない。