民進党支援で恩義売る共産党

世日クラブ

元共産党ナンバー3 筆坂氏が講演

 世界日報の愛読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)は16日、都内で第167回定期講演会を開き、元日本共産党ナンバー3で元参院議員の筆坂秀世氏が「『民共』協力と参院選の行方」をテーマに講演した。筆坂氏は、来月行われる参院選の32の一人区で野党候補の一本化が実現したことについて、「おそらく当事者たちも想定以上のことだった」と指摘。安倍晋三首相が「自公対民共の戦い」と発言したことに触れ、「この政党構図がしばらく続いていくことは確実だ」との見通しを示した。

800

世日クラブで講演する筆坂秀世氏=16日、都内

 筆坂氏は、次回の参院選が共産党にとって勝負を懸けた選挙だとし、民進党に恩義を売るために同党の当選のために必死に支援するだろうと指摘。民進党候補が「一人区で何人かでも勝てれば、これは大きい。民進党が共産党に足を向けて寝られないという状況を作ろうとしている」と強調。今後の衆院総選挙や参院選で協力できる芽を残すことが最大の狙いだと述べた。

 また、野党候補の一本化が実現した背景について、「今、民進党は下り坂だが、共産党は上り坂だ。だからこの提案が効いた」と分析。支持率が低迷する民進党にとっては「とても魅力がある提案で簡単には蹴れない」状況だったとし、「共産党は当然、それも読んでいた」と指摘した。

 さらに、無駄な供託金を没収されなくなった点でも共産党にとってメリットがあったとも指摘。自ら候補者を降ろし、積極的な姿勢を見せるなど、「賢いやり方で、タイミングも絶妙」と述べた上で、「こんな大胆な提案は、不破さんしかできない」と強調し、今でも同党の実権を握っているのは不破哲三前議長だと語った。

 一方で、共産党に自力で躍進する力はないとし、「民進党が今のような体たらくだから、共産党に(票が)来ただけ。その証拠に党員や赤旗の部数は減り続け、高齢化も進んでいる」と同党の厳しい現状も語り、一番の弱点は、共産主義社会ができるとみんなが良い人になるというユートピア思想だと述べた。

 講演後、本紙で筆坂氏と対談した田村重信・自民党政務調査会審議役も登壇し「共産党の何が問題かというと、志位委員長は16年も続け、不破さんは党費で専属の料理人がいる家に住んでいることだ」などと語った。

 講演に先立ち近藤会長があいさつし、民共連携について、「理念、思想が違う党が組んで、非常に危険な兆候にある。共産党は、現在においても暴力革命の方針は変わっていない」と強調した。