参院選より大手コンビニの話題


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 「セブンイレブンに行った?」
 これが沖縄では今、季節のあいさつ代わりになるほどだ。

 7月11日、コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンが沖縄本島14カ所、一斉にオープンした。

 当日の午前7時の開店前には長蛇の列ができた。47都道府県で最後の進出ということもあり、わざわざ県外から駆け付けた客もいた。千葉県から来た男性は「これですべての都道府県のセブンイレブンを制覇できた」と語っていた。

 特に、混雑が激しかったのは那覇市新都心地区にある店舗。早朝から警察が出動して交通整理をしていた。開店時の入場までの待ち時間は約1時間。店内もあまりの混雑で、「ゆっくり品定めをすることが困難だった」と話す人も。近くの高校生も登校前に立ち寄ったが、「登校時間に間に合わないので、放課後出直す」と肩を落としていた。新都心店では終日、入場規制が敷かれるほどの混雑ぶりだ。

 那覇市の国道58号沿いにオープンしたセブンイレブンは、開店翌日も終日混雑していた。至近距離にある競合コンビニ2店は、その影響で通常よりも客足が鈍っていた。

 セブンイレブンから約200㍍離れた交差点では、革新系候補の「総決起大会」が行われていたが、運動員以外、立ち止まって聞いている人はほとんどいなかった。

 陣営の男性は、「セブンイレブンに話題をさらわれすぎている」と自嘲気味に話し、選挙戦を通して盛り上がりに欠けていることを認めた。

 投票日は21日。「期日前投票に行った?」があいさつ代わりとなるぐらいに盛り上がればいいのだが。

(T)