キャンプ・シュワブ祭りでの景色


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブが3月23日と24日、基地内イベントのため一般開放された。普天間飛行場の移設先となっている米軍基地だ。

 23日午後は、小雨が降り県民にとっては冬のような寒さだった。それにもかからわず、ゲートに向かう車両が長蛇の列をつくった。例年ならばメインゲートから入場する。ところが、今年は反基地活動による影響を懸念してか、普段は閉まっている道路反対側のゲートから入るようになっていた。週末で反基地運動も“休日”。高齢の男性2人がメインゲート前で「No Base」と書かれたプラカードを手に立っている程度だった。

 基地内の臨時駐車スペースに行き、シャトルバスでイベント会場に移動した。基地内では兵舎建設など数多くの工事が行われていた。そして、会場の向こう側には数台のクレーン車が見える。埋め立て工事に伴う土砂が多く投入されているのを確認できた。基地開放日にしか見ることができない景色だ。

 会場に目を向けると、海兵隊の新型輸送機オスプレイ、戦闘攻撃ヘリ、水陸両用車、装甲車が陳列されている。シュワブに来場する人々の目的とは異なっていたためなのか、ほとんど人は見向きもしていなかった。

 一方、会場入りした人々の多くが向かった先は基地内のフードコート。ファーストフード店に行列ができていた。また、この日は、普段、日本人基地従業員でも立ち入りできないスーパーマーケットの利用ができた。非アルコール飲料と食べ物に限って購入でき、抱えきれないほどの缶ジュースやスナック菓子を手にした親子連れの姿が目立った。

 この基地内で見ることができたのは、ゲート前の反基地運動とは無縁の県民と米軍との楽しい交流だった。

(T)