宜野湾市議会が「県内」容認
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先について、沖縄県出身の自民党所属国会議員5人が11月、「県外」から「県内」(名護市辺野古)容認で一致した。これに続き、「県外」を主張していた自民党沖縄県連も「県内容認」へ回帰した。
2009年に当時の鳩山由紀夫首相が発言した「最低でも県外」の影響で、県選出の保守系国会議員、県議会、市町村議会は一斉に「辺野古容認」から「県外」に舵(かじ)を切った。あれから4年、動かなかった沖縄がやっと動きだした。
ところが、那覇市議会は今月2日、「普天間基地の県内移設断念と早期閉鎖・撤去を求める意見書」を、退出した保守系会派3人を除いた全会一致で可決した。
「本市議会は、沖縄への圧力を強め、政治家に公約の変更を迫り…子や孫の代まで米軍基地を強要しようとしている日本政府のやり方に、激しい怒りを禁じえない」
反オスプレイ運動を主導してきた那覇市議会らしい文面と言える。嘉手納町や読谷村(よみたんそん)なども議会が県内移設に反対の意見書を可決した。
一方、普天間飛行場のある宜野湾市議会だ。同議会は17日、県内移設断念を求めた野党案は可否同数となり、議長裁決で否決した。
野党は自民党の石破茂幹事長が県選出国会議員に県内容認を迫ったのは「恫喝(どうかつ)」であり「政府による強圧的な押し付け」と指摘。これに対し、与党側は「恫喝の根拠がない」と反論。「原点は早期の危険性除去」との主張が支持された。
県外移設が「オール沖縄」「県民の総意」という主張はもはや詭弁(きべん)でしかない。(T)