暴風警報解除で情報が錯綜
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
台風7号は1日夜から2日午前にかけて沖縄本島地方を通過した。本島地方の暴風警報が解除されたのは2日午前10時31分で、臨時休校なのか、午後からの登校なのか、情報が錯綜(さくそう)し、混乱に陥った。
私立中高は早い時間から臨時休校が決まったが、公立の小中学校では教育委員会と学校で判断が分かれた。
沖縄本島9市のうち、公立小中学校が休校になったのは、沖縄市、宜野湾市、豊見城市。ほかの市では、休校を決めた学校もあれば、午後から授業を行った学校もあり、児童生徒も保護者も戸惑いを隠せなかった。中でも、判断が大きく分かれたのが名護市だ。各校長の判断に委ねられ、小中21校のうち、10校は休校、11校は午後登校となった。
両親が朝から出勤しているケースも多く、名護市の40代の母親は、「子供を家に残して出勤するのは不安で、心配だった」と話す。暴風警報が10時半に解除されたとはいえ、時折突風が吹いたり、大雨が降っていた。台風が過ぎ去ってからの吹き返しは強いので引き続き注意が必要だ。南城市では、強風で壊れた傘を持って不安そうな表情で登校する小さな児童の姿を目にした。
保育園にも影響が出た。公立保育所で終日休園となった施設はなかったが、「公共交通の再開から1時間後」など開園時間がまちまちで、「出勤に支障を来した」「無理言って午後からの出勤にしてもらった」など、困惑する声が噴出した。
授業時間の確保の問題から、できるだけ休校にしたくないという学校現場の考えがある。一方で、暴風が収まらない中、家で子供を待機させ、1人で登校させることを不安がる保護者の気持ちもある。今回の混乱は、今後への教訓としてほしい。
(T)